国別で見るスーツの違いって???【イタリア編】
『スーツの着こなし』
国別で見るスーツの違いって???【イタリア編】
前回はイギリスのスーツの特徴について説明しました。
今回はイタリアのスーツについて解説します。
イタリアのスーツ文化は元々、イギリスがルーツとなっていますが、イタリア人の国民性や
気候など様々な要因が重なり、スーツのディテールが変化していったと言われています。
生地/cloth
イタリアは地中海に面し、比較的高温で雨がほとんど降りません。
その為、イギリスとは逆でスーツの生地も軽く柔らかい素材が好まれています。
また、イタリア人には陽気で遊び心のある楽天的な国民性があると言われている為、
発色が良く、艶があり、色気のある色柄の生地が多いです。
水が綺麗であるという要因もあり有名な生地メーカーが多く、日本やその国独自の
特徴に合わせた色柄や素材への要望に対して変化させる柔軟性が高いのが特徴です。
代表的なのはゼニア、ロロピアーナ、カノニコ、レダなどが挙げられます。
ジャケット/Jacket
肩から袖へ自然と繋がるナチュラルショルダーで、体にフィットする柔らかい芯地と
生地を使用しているのが特徴です。肩パッドも薄いものを採用していることが多いです。
イギリスから影響を受けているので、サイドベンツが主流ですが、着丈はやや短めです。
イギリスに比べて、Vゾーンが深くなるのが特徴で、これによりセクシーさを表現します。
よって3つボタンはVゾーンが狭くなる為、2つボタンや3つボタン段返りが多いです。
イタリア人は胸板が厚くウエストは細いので、この様なスタイルのジャケットを
着用することが多いです。
遊び心という点で袖のボタンが重ねボタン(キッシングボタン)となっているのも
イタリアのスーツの大きな特徴です。
パンツ/Pants
テーパードの効いた細身のシルエットが特徴。パンツの裾も短めに処理することが多いです。
裾幅は17〜19センチ程度と細めが好まれています。
タックに関しての細かいディテールは時代の流行に応じて取り入れられることが多く、
昨年のピッティでは多く取り入れられました。ですがイタリアではタック有りでも
無しでも裾幅の細いテーパードの細身シルエットが好まれています。
価格:29,260円 |
いかがでしたでしょうか??
また、イギリス同様、イタリア式のスーツに多いシャツやシューズの形もございますので、
スーツに合わせてコーディネートを組むと統一感が出ます。
こちらはまた別の機会に解説します。
次回はアメリカのスーツの仕様を解説します。